仮想環境でAircrack-ngを利用するためにはホスト環境で無線LANアダプタを掴まないように気を付ける必要があります。 このポストではVirtualBox on Windows環境において、LinuxディストリビューションからAircrack-ngを使用して無線パケットを傍受する手順を説明します。
前提条件の確認
- ホストOS:Windows 10 version 1803
- 仮想基盤:VirtualBox 6.0.6 r130049
- ゲストOS:Tsurugi-Linux (Ubuntu 16.04.6)
- 無線LANアダプタ:Alfa AWUS036NEH
利用手順
ホストOS側で無線LANアダプタが認識されているか確認します。 次の画像では無線LANアダプタがWi-Fi 3として認識されています。
ホストOS側で無線LANアダプタを使ったネットワークを無効化します。
ゲストOS側を起動して無線LANアダプタを割り当てます。 もしデバイスの割り当てに失敗するようならば無線LANアダプタを抜き差ししてから再度試します。
iwconfigで無線LANアダプタが認識されている事を確認します。airmon-ngで無線LANアダプタをモニタモードに変更してairodump-ngでパケットを傍受します。
失敗例
ホストOS側で無線LANアダプタを無効化していない場合、次の画像のようにairodump-ngは動作しているのにパケットが全く傍受できない状態になります。 状況から判断してホストOSが無線LANアダプタの制御を奪っているのだと推察しています。
別解
とにかくairodump-ngを使う際に無線LANアダプタが他のプロセスによって占有されていなければ良いです。 マシンに直接LinuxディストリビューションをインストールしたりLive USBを使う方法などがあります。 Live USBを使う場合はBIOSからセキュアブートを無効化する必要があるかもしれません。
そのような手段で直接デバイスを扱うならUSBの無線LANアダプタを用意しなくても良いかもしれません。 筆者はLG gramに標準搭載されているIntel(R) Dual Band Wireless-AC 8265を使ってairodump-ngでパケットを傍受できることを確認しています。その際にはKali LinuxのLive USBを使いました。
参考情報
Aircrack-ngを利用するために次の情報を参考にさせていただきました。