ダイナミックルーティング(BGP)
前置き
インターネット上の全てのルータをOSPFで管理することは不可能です。 OSPFなどのIGP(Interior Gateway Protocol)は組織内で完結させつつ、 シンプルなEGP(Exterior Gateway Protocol)で組織同士を繋ぐ必要が生じました。 BGPは現在デファクトスタンダードになっているEGPです。
BGP概要
OSPFやRIPなどのIGPで管理された領域をAS(Autonomous System)と呼びます。 異なるAS同士を接続するためのルーティングプロトコルがBGPです。 BGPはOSPFのような詳細な経路情報を伝えません。 自身に接続されているネットワークの一覧だけを他のBGPルータに伝えます。
BGPルータは同時にIGPルータでもあります。 IGPによってAS内の経路情報を受け取り隣接するBGPルータに伝えます。 BGPルータは外部のASから受け取った経路情報を変換し自身のAS内にIGPを使って伝達します。
BGP基本設定
BGPの演習のために仮想ルータ「Quagga」を利用します。 使い始めるための最低限の設定はOSPFのページを参照してください。
vtyshにログインしてから行うBGPの基本操作は以下の通りです。
設定モードに移行する
# config terminal
自身のAS番号を指定してBGP設定モードに移行する
(configure)# router bgp 65001
BGPルータIDを設定する
(configure-router)# bgp router-id 1.1.1.1
隣接するASのIPアドレスを設定する
(configure-router)# neighbor 172.16.0.110 remote-as 65002
隣接するASに到達するためのゲートウェイは自分である
という情報を自身のAS内に伝達する
(configure-router)# neighbor 172.16.0.110 next-hop-self
自身のASに存在するネットワーク情報を登録する
この情報はBGPによって隣接するASに伝達される
(configure-router)# network 192.168.0.0/24
※必要に応じて
自身のAS内から受け取ったOSPF経路情報をBGPを通じて伝達する
(configure-router)# redistribute ospf